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【迷い】

生まれてきた最初は、始まりと終わりだけがあり、ほかには何もない海の世界だった。

やがてその海には、幾通りもの枝分かれした道が刻まれた島が現れた。

この島は生まれてきたものが死に至るまで増殖し、海面を覆っていく。

立ち止まり、引き返したりしながらも、自分の信じる道を進んでいく。

ふと足をとめ、振り返ってみると膨大な分岐を通過しここまで歩いてきた。

果たして、自分が歩いてきたこの道は正しかったのであろうか?

これから進むべき道はこちらでよかったのであろうか?

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海が消えた日、もう戻ることは出来ない世界を天空より眺め見る。

迷いながら歩いてきた始まりと終わりを繋ぐ道は、

初めからただ一本のさだめられた道として存在していたことを知った。

René Et Gaston/Conte De Fées


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