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【迷路のフレームをデザインする基準】

前回は迷路の構造について書きましたが、日々過ごす日常の中で考えることは構造に限らず、自分の作品に関わるありとあらゆることが対象となります。 今描いている作品については単純な長方形を迷路で埋め尽くすだけなので、迷路の構造以外には、特にデザイン性を求めるような要素が無いのですが、以降の作品に関しては迷路のフレームをデザインしていく必要があります。

フレームデザインの方向性については、住む国を問わず共通イメージが想起されるものにするというコンセプトに基づき、すでにフリーハンドで20案ほどのラフスケッチを描き終えています。このイメージを具体的に迷路の枠としてアウトライン化していくためには、何らかの基準が必要です。 自分で描いたフリーハンドの線を清書しても、そこに根拠は存在しません。

迷路のアウトライン(=フレーム)に根拠を与えるためには、何を基準とすべきかを考え続けた結果、比と数学を使ってデザインを行うことにより、説得力の伴った形と画面の構成が生まれてくると思うようになりました。なぜなら、正確な数値や比率、数学的な根拠に基づいて構成されたものは、尺度(=基準)が明確で、他者に伝達しやすくなるはずだと考えたからです。

この考えを現実的な作業とする際、建築設計の仕事で活用してきた製図用ソフト(いわゆるCAD)を用いることで曖昧な数値は排除され、明確な寸法によって規定されたフレームが描けます。 フレームをデザインするにあたって、自分なりの方法論を固めていくことで、考えにぶれの無い作品を生み出していけるよう、日々精進したいと思います。

Ricardo Villalobos/Dexter


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