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【迷路を誰に届けたいのか】

年が明けたと思ったら、あっという間に5月になってしまいました。2010年に迷路の創作を思い立ってから今年に入るまでの期間というのは自分の判断と責任で好きにすることが出来る時間の余裕だけはあったので、今後の活動を進めていくにあたっての礎を作るつもりで過ごしていましたが、今年は年明けよりどうしてもやらなければいけない事を同時に抱えてしまい、まとまった自分の時間はほとんど無いという状態で日々を過ごしていました。

先日、やっとやるべき事のひとつに区切りが付いたので年初の記事に記した「自分の迷路を誰に届けたいのか」について書きたいと思います。

そもそも、自分が現在の状態で本気で迷路を描こうと思った大きなきっかけは、2010年6月14日の新聞に掲載されていたある作家の方を紹介する記事でした。この頃の自分は、まだ建築設計を生業として生きていくことしか考えてなく、そのために必要なことの一環としてより社会の動きを知るべきであると思い、19歳当時から取っている新聞をより入念に読み込むということをしていました。

この際、ただ読むではなく、読むことは出来ても自分の手で書けない漢字はノートに書き取りをしたり、自分の目を引いたデザインの広告や本の紹介など気になるものはスクラップしてオリジナルのまとめノートを作っていたのですが、このような新聞の読み方をしていたおかげで、ある種運命的な記事と出会い、今の自分というものがあります。

上に載せた写真が、当時作っていた新聞のまとめノートの一部です。

このようなノートを作る前は新聞の中に読まないページもあったのですが、スクラップをするようになってからはTV欄以外は全て目を通していました。2010年6月14日の記事から自分が得たものは、極めてシンプルなものです。

・ 迷路が好きな子どもたちは意外に多く存在する。

・ 子どもたちは、ひとつの迷路を解くと新しい迷路を欲しがる。

・ それは、昔の子どもたちも今の子どもたちも変わらない。

・ 紹介されていた作家の方自身も迷路が好きな子どもだった。

記事の中には他にも色々と書いてはありましたが、およそ上記の事柄が自分にとっては決定的なものとして脳に刻み込まれたのです。また、元々は迷路とは関係のない分野で絵の仕事をされていた作家の方が、子どもたちは迷路遊びが好きなんだと知るきっかけとなった迷路を描いた年が2010年を遡ること15年ほど前(1995年)と書かれていたのですが、1995年とは、まさに自分自身が意識して迷路を描き残した最後の年であったということや、この作家の方が建築図面を描く手法を独学で学んだと書かれていたことも、自分自身との奇妙な巡り合わせを感じずにはいられませんでした。

実際の2010年6月14日の記事。

この記事との出会いにより、それまでの自分の生き方が変わりました。

記事を読み終えた後、自分も子どもたちが喜ぶような迷路を創り出そう、日本だけではなく世界の子どもたちにも届ける迷路を描こうと思いました。この日から、自分にしか創れない迷路があるはずだという強い信念の元、日本国内および世界の迷路作家の状況や作品のリサーチを行ったり、アイデアをスケッチしたり、自分の作品を世界に認めてもらうためにはどのような意識をもって取り組むべきか頭をフル回転させながら考え、具体的に迷路作品の制作に取り掛かりました。

その途中では、自分が描いた迷路をデザインの素材として活用するという様々なアイデアが沸いたりしたので試作品を作ったりもしていましたが、2012年の今現在、何が自分にとっての基本なのかを改めて考えてみると、やはり子どもたちが「この迷路すごいい!」「欲しい!」「遊びたい!」と言って飛びついてくるような作品を創り出すということが基本になると思います。

これを叶えるため、先ずは現在制作中の作品を通じて自分の線を作り込み、それから、子どもたちが遊ぶための迷路作品の数を増やしていきたいです。

 

作品の制作中、何か音楽を流しながら描き込みを行う場合と、その逆に全くの無音状態で描き込みを行う場合があります。音楽を流しながらの制作だと集中力に乱れが生じるようにも感じますが、実際の制作で線を描き込む際には必然的に集中するしかありません。その日の気分によっては己の士気を高めるために、かなりの大音量で音楽を流すこともあったのですが、ここ最近思うのは、やはり無音状態で制作を行う方が頭の中が疲れにくいのかなということです。

afx/i'm self employed

最低でも1ヶ月に一度くらいは更新しようと思って始めたこのブログですが、ここ最近の自分の意識として、ブログを書いているような時間があるならば、今はその時間は作品の制作に充てるべきだという考えで過ごしていました。今日は5月の大型連休の最後の日ではありましたが、作品の制作に集中してペンを持つ指にもそろそろ限界がきたので、久し振りに更新してみます。


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