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【デザインフェスタVol.34に出展してきました】

先日11月12日(土)13日(日)の2日間に渡り、東京ビッグサイトで開催されたデザインフェスタVol.34に出展してきました。当日、ブースを覗いてくださった方たちにお礼を申し上げたいと思います。

昨年6月、迷路の制作を思い立ってから1年と4ヶ月余りが過ぎましたが、普段は黙々と画面に向き合うという孤独な作業の繰り返しであり、今回のイベントへの参加は、今まで自分が知らなかった多くの方たちに自分の作品を見て貰うことが出来たという意味で大きな励みとなりました。

デザインフェスタは出展者数8500人以上、来場者数6万人以上というアジア最大級の規模を誇るアートとデザインの祭典イベントだという事で、会場内はものすごい数のブースと多くの来場者たちで賑わっていました。今回、自分は出展者の立場だったので、本来ならば自分のブースの中に常駐して、ブースを覗いてくださる方への対応などすべき所なのでしょうが、ほかの出展者の方たちの作品やブースの展示方法なども気になるので、広い会場内をうろうろと歩き回っては、時折、自分のブースまでその様子を伺いに戻り、立ち止まって見てくださる方たちがいる際には近くに駆け寄ってお礼の言葉と展示物の説明をさせてもらうといった動き方で2日間を過ごしました。

肝心の自分のブース展示ですが、開催が迫る10月下旬、迷路の制作とイベント当日までの諸々の準備に追われて、展示用の白い壁の申し込みを忘れてしまうという大失態を犯してしまい、急遽、後からでも借りる事が可能だった灰色のパーテーションを使って展示を行うことになりました。

■開催1日目の展示の様子

※中央の迷路作品は未だ未完成なので正式に完成する時まで画面の公開は控えさせて頂きます。

展示用パーテーションは画鋲や押しピンのみ使用可能との事だったのでそのつもりで準備していったのですが、実際に画鋲など留め付けてみると強度的に不安があり、比較的軽いモノのみに絞っての展示を行いました。

■開催2日目の展示の様子

イーゼルの中央に2匹仲良く並んでいたオリジナルのぬいぐるみのうち、右側に座っていた1個は今回お世話になった方にプレゼントしました。展示内容自体、一見すると開催1日目と大きな変化はありませんが、2日目の展示には、前日の反省を踏まえた大きな変化があります。その変化とは、以下のキャプションを迷路作品に取り付けた事です。

写真が小さく見づらいかも知れませんが「 こちらの作品は 現在、制作中の『 迷路 』です。 顔を近づけて ご覧になってみてください。 」と書きました。

開催1日目に得た反省とは、自分が描く迷路は、ぱっと見た印象として、わけのわからない黒っぽいベタ塗りの絵のようなものとしか見て貰えず、自分から口で説明しないことには迷路だと理解されないと知りました。特に、自分の展示ブースはほかの出展者の方たちのブースと比較すると見た目の印象も(色彩的、視覚的に)地味だったので、来場者の方たちの足を止めてブースに展示されている作品に興味を持ってもらうためには、【迷路である】というわかりやすいアピールが必要だと判断したのです。

あまり派手なアピールは自分の趣味ではないので、シンプルな黒文字と最低限の文字数で作った小さなキャプションですがその効果は絶大で、自分がブースを離れている場合でもキャプションを目にした方たちがブース内に歩み寄り、迷路という認識の上で作品を見てくださいました。

上の写真は、今回の展示にも使用したオリジナルのぬいぐるみとオリジナルのファブリックパネルです。(もしかしたらブログで紹介するのは初めてになるかも知れませんが、昨年末より自分が描いた迷路を元にしたシルクスクリーン製版を作り、オリジナルファブリックの制作も行っていました。)

今回のデザインフェスタへの出展は先に出展することだけを決め、具体的な展示物については自分でもハッキリしない状態で進めたため、あまりおおっぴらな告知はせずにひっそりと参加させて貰いましたが、今後の自分の活動に活かせる大きな経験を得ることが出来ました。次回のデザインフェスタへの参加は現時点では未定ではありますが、また同様のイベントに出展する機会があれば、今回より明るく見やすい展示が作れるように努めたいと思います。

以下、デザインフェスタとは関係ないのですが、制作に関する余談です。

昨年より悪戦苦闘しながら制作を進めている迷路「ラビリンス」ですが、何故ここまで時間が掛かるのか?あとどれくらいで終わるのか?という疑問を解消するため、ある計算をしてみました。制作に着手して1年以上が経過した現在、1時間あたりに描き込み可能な迷路の面積は、調子が良いときで1円玉1枚程度の面積です。1円玉の直径は2cmなので、その面積はおよそ3.14cm2です。迷路で埋め尽くすべき画面の実面積を計算すると、93cm×63cm=5859cm2ありました。1時間あたり1円玉サイズの大きさの迷路を描き続けるとした場合、作品が完成するまでに必要な制作時間は、5859/3.14=1864.98 → およそ 1865 時間という結果になりました。毎日8時間描き続けたとしても233日の日数が必要です。

今までこのような計算はしたことが無かったのですが、具体的な数値でリアルな予測を得ることは、これからの制作スケジュールを管理する上でメリットがあるとの思いもあり、制作のルーチンが安定した今だからこそ算出してみたのですが、土日祝日関係なく制作を続けたとしても8ヶ月近く必要だという結果を見て、なかなか埋まらないことへの焦りも消えました。ある意味、思うように埋まらなくて当然であり、しかしながら制作を続けていれば、確実に終わりは見えてくるという事を再確認できました。

余談のついでに、制作のルーチンが安定してきたと書きましたが、自分の理想とする制作の姿は、機械かロボットのように淡々と線を描き続けることです。そして、描き上がる線の性質も極めて機械的でフラットな歪みのない線を描くことが理想であると考えています。そのような線を実現する為には日々描き続けるしかないのだと思っていますが、コンマ数ミリの歪みさえも許さない線を作り込むということは、画面全体を支配するチカラを生み出す源泉になると信じています。

自分が描く迷路の模様は、ゆるやかな曲線と直線が無秩序に入り混じった模様であるからこそ、自分の感情的、感覚的なものはその模様の中に委ね、迷路を構成する線はパソコンから出力された印刷物のような線を目標に、引き続き、自分の理想とする作品作りに取り組んでいきたいと思います。


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