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【アートフェア京都2011などを見て歩いて】

先月、関西方面で進めているリフォームの現場を訪問した際、ホテルモントレ京都で開催中だった「アートフェア京都2011」を観に行ってきました。

この「アートフェア京都2011」の事はインターネットを見ている時に知ったのですが、国内の有名ギャラリーいち推しのアーティストたちの作品をホテルの客室内という、ある種、非日常的空間の中でまとめて鑑賞することが出来るということだったのでとても楽しみにしていたのですが、実際に会場に足を運んでみると来場者の数の多さも去ることながら、出展作品のボリュームの多さに圧巻されるものがありました。

行ってみて良かったと感じたことはいくつかあるのですが、自分が所有している本に掲載されていたりインターネットなどで目にしたことのある作品を間近で観ることにより、印刷物やパソコンのモニタで観るのとは違う作品の質感やクオリティみたいなものを直接体感できたことや、どのようなスタッフがどのような案内をし、どのような作家と作品をセレクトして、如何に客室の内装を利用して展示を行っているのかというような、各ギャラリーのカラーの違いみたいなものを比較しつつ観ることが出来たということ、現在の日本のアートシーンがどのような感じになっているのかをダイジェスト風に観ることが出来たということが、実際に会場まで足を運んだことにより得ることが出来た大きなものだったように思います。

3日間に渡る会期中の最終的な総入場者数が3,500人を超えたという報告レポートがアートフェア京都のHP上に掲載されていましたが、展示空間となっている客室の数が60ちょっとだと考えると、1室あたり60人弱の人間を押し込んだボリュームの人たちが会場を訪れていたことになり、これについても冷静に考えると凄いなあと感じました。ここ数年、西日本を中心に出歩く機会が多いので、少し足を伸ばせば観れるものは貪欲に足を運んで、自分の中にフィードバックしていければと思います。

アートフェア京都を見たあとは、京都在住のスタイリストYさんとその友人のTさんの2名を伴って、嵐山と清水寺の周辺などを見て歩いてきました。清水寺へと続く参道の二年坂は、学生時代も含め4度目の訪問になりますが、過去に訪れたときはいずれも清水寺を主目的として訪れていたことに対し、今回は清水寺には立ち寄らず、裏道みたいな所を目的も無くぶらぶら歩きながらの散策だったので、京都ならではの景色をのんびりと堪能することが出来ました。

二年坂の周辺を散策している途中、みやげ物屋などでは無い民家とおぼしき住宅の足元に、たくさんの可愛らしい豆皿や箸置きなどが配してあるのを見掛けました。

これは取れるのかな?という興味が沸き、指で触れてみたところ、土間に貼り付けられていて、このレイアウトが崩れることはないのだなと理解したのですが、きれいな状態で通りがかる人たちに、物言わず挨拶をしているような佇まいが印象的でありました。この風景を見た際、自分の頭の中に浮かんだのは瀬戸内海に浮かぶ直島の姿です。

いまや国際的なアートの島として知られる直島の島民の人たちの意識は年間30万人を超える(2008年度で34万2591人)という観光客たち=「外」に対して大きく開いていて、自分たちの住む町の景色にもさまざまなしつらえを施しています。例えば、門や玄関におしゃれな暖簾を掛け、揃いのデザインをした屋号の金属プレートを掲げているのもその1つですし、緑や花を絶やさない家もあれば、玄関先にオブジェを飾っている家もあるなど、我が町を歩く外からの人の目を楽しませてくれる仕掛けを作っている点が、今回、見掛けた京の町屋の足元の景色と共通する意識から生まれたものであると感じました。

次回は、迷路に関する内容の記事を書きたいと思います。


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