【あいちトリエンナーレ2010を見てきました】
先月下旬より10日間ほど自宅を空け、各地を巡ってきました。道中、10月31日に閉幕を迎えたあいちトリエンナーレ2010にも足を伸ばしました。このイベントは、名古屋の中心部を含む複数のエリアを会場として開催されたのですが、天候と時間の都合上、実質的なメイン会場だと思われる愛知芸術文化センターに絞って会場内に展示されている参加アーティストの作品を鑑賞してきました。
会場の10階でチケットを受け取りエントランスを抜けると、草間彌生さんの彫刻作品「FLOWERS THAT BLOOM AT MIDNIGHT(真夜中に咲く花)」がありました。この作品は、あいちトリエンナーレの宣伝チラシにも大きく使われていたので、いわばイベントのシンボル作品のように見ていたのですが、派手に彩られたこの花の前には絶えず人だかりがあり、作品の前で記念撮影をする人たちの姿も多かったです。
会場は複数のフロアにわかれていて、多くの作品が展示されていたので、ここではひとつひとつの作品に付いての感想は省略しますが、火薬を使って作品の制作を行う中国人アーティスト・蔡國強(ツァイ・グォチャン)さんの展示では、作品の展示と併せて、その作品の制作過程の映像も流れていて、とても面白く鑑賞するコトが出来ました。
現代アートは作品だけを見せられると、その作品をどのように捉えれば良いのかがわからなくなる(見たママ、感じれば良いと言われればそれだけではありますが)コトが多々あるのですが、作品の制作過程を知れば、また違った見え方と理解が深まるので、蔡國強(ツァイ・グォチャン)さん以外のアーティストの作品に付いても、その制作過程を(一部でもよいので)見せて貰えると、もっと楽しく鑑賞するコトが出来ると思いました。
その他に会場内で印象に残ったコトは、複数の展示作品が撮影可能だったコトです。屋外に展示されるような彫刻作品やオブジェならば撮影可能なイメージもありますが、美術館のような館内で作品の写真撮影が可能だというのは、あまり記憶にありません。
72日間の会期を無事に終了したあいちトリエンナーレ2010ですが、残念だったコトもいくつかありました。まず、いまいち盛り上がりに欠ける部分があったようにも思います。と言うのも、自分が訪れたのはフィナーレを迎える最終日でしたが、会場の周辺にはトリエンナーレのバナーや案内以上に、日本シリーズを迎えたプロ野球の宣伝・広告や、あるいは、名古屋で開催されていたCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)の宣伝・広告に溢れ、会場でもフィナーレを飾るという特別な催しもなく、展示に付いても、この数日前に台風が近付いていた影響でいくつかの屋外展示は早々に撤去されて、その展示の跡地も閑散としており、「早くも店じまい」といったような印象すら受けました。
また、会場での人員配置や案内の仕方なども、あまりよろしくない感じを受けました。(愛知芸術文化センターの館内に入ってすぐ、次にどこに向かうべきかがわからない)会場で入場と同時に受け取ったパンフレット(ガイドブック)も、表紙には宝くじの広告、中にも、後半以降はビッシリと飲食店などの広告が溢れ、ベネッセアートサイト直島で発行している案内チラシやパンフレットと比べると残念な代物だと感じました。
トリエンナーレと冠しているからには、また3年後にも開催されるのかも知れませんが、次のトリエンナーレでは、今回以上の盛り上がりが生まれていると良いなあと思います。