【近況報告】
迷路作家を志して最初の作品は、昨年の秋に完成しました。完成後、10日ほどの休憩を挟み、次の作品の制作に取り掛かりました。 1年以上の期間、こちらのブログを更新もせずに放置したままでしたが、ひとつひとつの作品が完成までに時間がかかるという現実を身を持って知り、ブログを書く時間...
【迷い】
生まれてきた最初は、始まりと終わりだけがあり、ほかには何もない海の世界だった。 やがてその海には、幾通りもの枝分かれした道が刻まれた島が現れた。 この島は生まれてきたものが死に至るまで増殖し、海面を覆っていく。 立ち止まり、引き返したりしながらも、自分の信じる道を進んでいく...
【人から問われること】
人が描いた絵やイラストなどを見る際、自分には様々な疑問が浮かびます。 なぜ、この色なんだろう? なぜ、このサイズなのだ? なぜ、この構図にしたのだろう? このような疑問に対し、作品の作り手から直接説明を聞くことが出来れば作品への理解もより深まり、作品を見る目も変わってくると...
【迷路の中にラビリンスをみた】
昨晩は深夜に目が覚めてしまい、真夜中の2時から制作を行っていました。無言で集中しながらぐねぐねと曲がる迷路の模様を描き込んでいるとき、ふと「この模様はラビリンスじゃないか」と気付きました。自分が描いている迷路にみられる脳のしわのようなぐねぐねした模様は、人が迷路を描くとした...
【見るために集中する】
作品の制作中、最も重要な事のひとつに集中力を保つことが挙げられます。自分が集中する目的とは「描く」行為に没入するためだと考えていました。描くために、集中することに集中するよう意識して制作を行っていましたが、7月中旬ごろ、いつもどおりの制作をしている時、自分は描くためではなく...
【迷路のフレームをデザインする基準】
前回は迷路の構造について書きましたが、日々過ごす日常の中で考えることは構造に限らず、自分の作品に関わるありとあらゆることが対象となります。 今描いている作品については単純な長方形を迷路で埋め尽くすだけなので、迷路の構造以外には、特にデザイン性を求めるような要素が無いのですが...
【迷路の構造についての思考】
迷路の制作に着手して以来、日常生活における思考が大きく変わりました。ことさら時間の使い方に関する思考は、最も顕著に変わったように思います。作品を制作するための時間の確保は樹木で言えば幹のように存在していて、この幹に決定的に害を成すと判断されることに対しては迷うこと無く遮断し...
【瀬戸内の美術館にて】
昨年、偶然インターネットで目にした迷路の写真に大きな衝撃を受けました。その迷路は、塩で描かれた緻密な迷路でとても美しい姿をしていましたが、衝撃を受けた最大の理由は迷路自体の模様の印象が、自分が1995年に描いた迷路と同一人物が描いたんじゃないかと思うほど似ていたからです。...
【日々の制作-反復し検証するということ-】
今年に入ってから迷路の制作は夜間に行うことがほとんどでした。作品を描く前にはルーチン化された一連の手順を行います。 1 ノートに描き始めの時刻を記す。 2 作品保護のため、アームカバーと指先を切った手袋をはめる。 3 筆圧の高さから指を守るため、右薬指のみ筒状のガーゼを巻く...
【建築の現場】
迷路の制作を始めてから建築と迷路の2足のわらじは履けないと思い、それまで生業としていた建築の仕事は引き受けないことに決めましたが、現実には行きがかり上どうしても断れない設計の仕事もありました。 昨年は模型の制作と図面を書くのみの仕事しか行わなかったのでしばらく建築の現場から...